今年の個展のこと

今年の個展の課題は2点あります。
ひとつの描き方に絞ること、そして、100点以上の絵を仕上げることです。

1 – ひとつの描き方に絞ること

個展ではその年に制作した絵を発表しますが、
例年は描いたものをほとんど全て持ち込んで展示していました。
私の制作にはその年々の傾向や短期の目標はあっても特別なルールはいつもなく、
思いつくままに描いていくことが多いので、
例年の個展会場には色々な雰囲気の絵が並んでいました。
そのため「そっちの絵とこっちの絵は随分違うね」とか
「1人の展示には見えないね」とか言われることもしばしばでした。
自分はそういうふうなんだな、と受け止め、
色んな絵が並ぶのはもう当たり前のことだと思っていたのです。

ところが昨年2010年の個展を経て、それが思い込みだと気づきました。
先輩の作家さんが個展にいらして、アイデアをくれたのがきっかけです。
そのアイデアとは「テーマを決めた、統一感のある個展」です。
アイデアというより、アドバイスでしょうか。
しかも2人の作家さんがたまたま同じタイミングで居合わせ、
それぞれが私に同じ意見を聞かせてくれたのです。
また、「そんな展示も見たかった」とさえ言って下さった。

その言葉を聞いて、統一感のある自分の展示も見てみたいという気持ちが
ちらっと湧いたことがあるのを思い起こしました。
しかし当時は新しいアイデアに踏み切れなかったのです。
先輩作家さんのアドバイスに背中を押され、気持ちが固まりました。

2 – 100点以上の絵を仕上げること

ある時、焼き物の作家さんとお話をしていて衝撃を受けました。
展示の準備では作品を200点以上制作するのが普通だ、というのです。
確かに、陶芸の展示会にお邪魔すると多数の作品が並んでいます。
その多さを意識したことがありませんでしたが、改めて考えると大変な数です。
私などは個展に30点も展示すれば多い方だと思っていたので
ショックで、恥ずかしく思いました。

勝手が違いますから真似することは難しいかもしれません。
しかし、自分は限界に挑戦したことがない気がしました。
今までの制作数を圧倒するだけ描いてみたいと思いました。
そこで、桁を一個増やしてみようと、100を目標に設定しました。

ところで近年、絵を描くのが遅くなりました。
考える時間が増え、手が止まることが多いのです。
この体たらくでは100点できると思えなくて、大きさも決めてしまいました。
S0号という小さなキャンバスです。
描き方は決まっている、大きさも決まっている、あとは考えず、迷わず、
100を目指して描くだけ、それだけです。

→ 「個展9」

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